平成20年度勝山城跡学術調査事業

更新日:2019年03月01日

平成20年度に実施した勝山城と周辺遺跡の調査です。

勝山城跡内橋・桂林寺裏山調査(平成20年4月28日)

勝山城側で確認された石積みの写真

 調査は午前と午後で実施しました。午前中は内橋の調査を行いました。内橋とは勝山城と谷村城を結んでいたと伝えられるもので、現在は失われていますが、市役所の裏から勝山城に架かっていたことが絵図などで確認することができます。古い調査では勝山城側に石積みのようなものがあるのを確認したとあり、勝山城側を調査しました。調査の結果、市役所裏の対岸に石積みの跡を確認することができました。積まれている石は河原石と違い角ばっている特徴を持ち、人の手が加わっているものと思われます。また、その地点からは道が続いており、絵図に示されているルートとほぼ同じルートも確認することができました。この石積みは恐らく橋脚の跡だと考えられます。

桂林寺裏山山頂の写真

 午後からは桂林寺裏山の調査を実施しました。中津森館と考えられる一帯を望むこの山は小山田氏が城を築くには好条件と考えられてきました。そこで、実際に調査を実施し確認することになりました。調査の結果、山頂は平坦であるものの遺構は確認できませんでした。また、登る途中にも堀切などは確認できず、小山田氏が城として使用した可能性は確認できませんでした。

第10回考古学専門部会・第9回調査会議(平成20年5月11日)

第10回考古学専門部会(本丸にて)の写真

 午前中に考古学部会を開き、午後から全体会議を開催しました。考古学部会では、平成20年度の調査箇所について話し合いを行いました。

第9回調査会議の様子の写真

 午後の全体会議では午前中の考古学部会の調査箇所について、とくに本丸の調査に成果に期待が持たれました。平成21年度刊行予定の報告書の内容の検討も実施しました。

平成20年度勝山城跡発掘調査(平成20年6月10日~平成21年3月31日)

平成20年度は本丸・本丸南西・本丸北平場について調査を実施しました。本丸では柱穴列が確認され、建物が存在していたことが明らかになりました。本丸南西は人為的な盛土をした痕跡や柱穴が確認され、櫓の存在が指摘されました。

本丸北平場ではお茶壺蔵の可能性が考えられる建物跡と南の斜面では浅野氏以前の時代と推測される地表下深さ約3メートルの堀が確認されています。

勝山城跡とその周辺地域の調査・第10回調査会議 (平成20年8月10日)

発掘検討会(第11調査区にて)の時の調査の写真

 午前中に勝山城跡とその周辺地域の調査を行い、午後から全体会議を開催しました。
 午前中の調査では、本丸の南西で確認されている柱穴や土盛りの痕跡からこれが櫓である可能性が指摘されました。また、本丸北平場で確認されている堀は後北条氏や小山田氏の時代の遺構である可能性が出てきました。

第10回調査会議の様子の写真

川棚集落の調査については検地帳にみられる「大門」の地名から集落の一部が正観寺(現在は廃寺)の門前集落であった可能性が指摘されました。午後の全体会では午前中の調査報告と今年度予定されているシンポジウムの内容検討を実施しました。

第11回考古学専門部会(平成20年9月23日)

第11回考古学専門部会(第10調査区にて)の時の調査の写真

 本丸・本丸南西・本丸北平場それぞれで確認されている遺構について検討を行いました。いずれも柱穴が確認されており、建物跡が存在していた可能性が考えられますが、規模・性格が不明であるため調査範囲を広げて精査することになりました。

勝山城跡学術調査事業シンポジウム(平成20年10月5日)

勝山城跡学術調査事業シンポジウムの様子の写真

 「勝山城の築城とその歴史性」というテーマで県内外の研究者の方々にご専門の分野の研究成果をご発表いただきました。シンポジウムには市内外のおよそ200名の方々にご参加いただき活発な意見交換の場となりました。

第12回考古学専門部会(平成21年1月10日)

第12回考古学専門部会(本丸にて)のときの調査の写真

 本丸で確認された6基の柱穴についての検討をおもに行いました。柱穴列が南北1列しか確認されていないことに対して、柱穴列の西に広がる花崗岩の岩場に東西方向に柱が据えられていたのではないかという推測がなされました。

第11回調査会議(平成21年1月25日)

第11回調査会議の様子の写真

 第10回調査会議に引き続いて、来年度刊行予定の報告書の内容の検討を行いました。活発な議論によってより具体的な執筆内容が固まりました。

勝山城跡現地見学会(平成21年3月8日)

勝山城跡現地見学会の様子(第10調査区にて)の写真

 平成20年度の調査成果を広く市内外の方々に知っていただきたく実施しました。当日は市内はもとより市外からも勝山城に興味や関心をお持ちの大勢の方々にご参加いただきました。

第12回調査会議(平成21年3月25日)

柱穴列の検討(本丸にて)の様子の写真

 午前中は、勝山城跡の本丸と本丸北平場で確認されている柱穴列について、どのような建物が想定されるか検討を実施しました。本丸は柱穴列の西に広がる岩場部分に新たに礎石をはめ込んだような窪みが確認されました。

第12回調査会議の様子の写真

 本丸北平場は柱穴と礎石が確認されており、柱穴は板倉が想定され、礎石を用いた建物はお茶壺蔵である可能性が指摘されました。恐らく、最低でも二時期に渡って使用されたことが明らかになりました。午後は来年度の報告書刊行に向けた意見交換を行いました。

この記事に関するお問い合わせ先

生涯学習課文化振興担当

〒402-0053
山梨県都留市上谷一丁目5番1号
電話番号: 0554-45-8008
ファクス: 0554-45-8201

メールでのお問い合わせはこちら

このページへのご意見をお聞かせください
このページの情報は役に立ちましたか?
このページは見つけやすかったですか?
このページに関してのご意見がありましたらご記入ください