平成19年度勝山城跡学術調査事業
平成19年度に実施した勝山城と周辺遺跡の調査です。
第6回調査会議(平成19年5月10日実施)
第6回調査会議は、午前と午後行いました。午前は金井から川棚そして十日市場に抜ける道の調査を行い、勝山城周辺に谷村以外にも城下が存在していたのか、その痕跡を探しました。道は金井の中津森館跡、川棚の勝山城、十日市場の字中屋敷を通っており、中世においては主要な道であった可能性が出てきました。
また、川棚の勝山八幡神社前の敷地では一部土地の窪みを確認することができ、これが堀である可能性も出てきました。 午後からは会議を行い、今年度の調査計画の検討を行いました。
第6回考古学専門調査部会(平成19年5月21日実施)
第6回考古学専門調査部会では勝山城跡と中津森館跡の調査箇所の検討を行いました。また、第6回調査会議で検討課題に挙がった勝山八幡神社前の敷地についてどのような調査が必要か検討を行いました。
都市史調査(平成19年5月25日実施)
勝山城の裏門が移築されたという言い伝えの残るお寺の山門の調査を行いました。木材の風化の度合いから考えると中世まで遡るようなかなり古い時代のものである可能性が出てきました。今後は分析をして正確な年代を割り出していきたいと考えています。
石造物調査(平成19年6月6日、6月25日実施)
谷村地区と金井地区の寺院にある石造物の調査を実施しました。中世まで遡る石造物は両地区ともにわずかながら確認されました。
平成19年度勝山城跡発掘調査(調査期間 平成19年6月28日~平成20年3月28日)
第6回考古学部会の検討結果から調査箇所を決定しました。二の丸や伝お茶壷蔵の調査など昨年度よりも範囲を広げ調査を行っています。二の丸では築城して間もない頃と思われる遺構が確認されています。
また、城内の北側、東側の調査ではお茶壷蔵ではないかと考えられる遺構や浅野氏重の時代に築いたと考えられる石垣が確認されました。
第7回考古学専門調査部会(平成19年8月25日実施)
第7回考古学専門調査部会では勝山城跡の発掘調査箇所の検討を行いました。北尾根下の帯郭から確認された溝は堀だということが明らかになりました。また、二の丸の調査から二の丸が複数の時期にわたって使用されていたという可能性が出てきました。
第7回調査会議(平成19年9月18日実施)
今回の会議では各分野で調査の進捗状況の報告を行いました。
秋元氏と勝山城の関わりの再検討を行うなど新たな課題が見出されました。
勝山城ウォーキング(平成19年10月13日実施)

勝山城跡学術調査事業シンポジウムに際して、シンポジウムの内容をより参加者に理解していただくために事前に勝山城ウォーキングを行うことになりました。30名を越える参加者に恵まれました。
勝山城跡学術調査事業シンポジウム(平成19年10月14日実施)
シンポジウムでは各分野の研究者によって勝山城の最新の研究成果が報告されました。およそ200名の市内外の方々にご参加いただき大盛況のうちに終わることができました。
平成19年度中津森館跡試掘調査(調査期間 平成19年11月7日~平成20年3月27日)
平成18年度に実施した地中レーダー探査の結果、現在中津森館跡が存在したとされる周辺にはデイ堀と呼ばれる深い落ち込みが取り巻いており、このデイ堀の一部が地中に埋まっている可能性が出てきました。調査の結果、敷地中央から堀跡と考えられる落ち込みが確認されました。
堀は調査を進めると地下水が湧き出て泥沼のようになりました。これが一帯が泥堀(デイボリ)と呼ばれる所以ではないかと考えています。また、この地に権力者層が居館を構えていたことを裏付けるように、当時としては貴重な中国の青磁などが確認されています。
第8回考古学専門調査部会(平成19年11月23日実施)
中津森館と勝山城跡の発掘検討会を実施しました。勝山城の二の丸では、絵図に描かれた現在は確認できない道や、最も深い場所から建物の柱の穴や鍛冶の跡と考えられるものが確認されています。
鍛冶の痕跡は築城して間もない頃の遺構だと考えられ、確認されている炭化物から年代を割り出そうと考えています。
第9回考古学専門調査部会・第8回調査会議(平成20年2月24日実施)
午前中に考古学部会を開き、午後から全体会議を開催しました。考古学部会では、東照宮裏で確認された石垣と本丸北平場で確認された柱穴と礎石の検討を行いました。東照宮裏手の石垣は勝山城内で確認されているものの中では最も強固な造りをしています。特徴から浅野氏重の時代に築かれたものではないかと考えています。
本丸北平場の遺構は柱穴の柱の間隔から蔵や倉庫だと考えられ、斜面に溝を設けて排水性を高めていることから、ここが伝承にあるお茶壷蔵である可能性が出てきました。午後の全体会議では、午前中の石垣、お茶壷蔵の検討や再来年度の報告書刊行について話し合いを行いました。
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更新日:2019年03月01日