○都留市工事検査規程
(昭和53年3月27日規程第2号)
改正
平成10年7月1日訓令第5号
平成12年12月22日訓令第28号
平成13年3月30日訓令第4号
平成19年3月30日訓令第5号
平成20年3月24日訓令第3号
(目的)
第1条　この規程は、別に定めるもののほか、請負工事の検査について必要な事項を定め、工事の厳正適格かつ能率的な執行を確保することを目的とする。
(検査の種類)
第2条　工事の検査の種類は、次に掲げるものとする。
(1)　完成検査
(2)　出来形検査
(3)　材料検査
(4)　随時検査
(完成検査)
第3条　完成検査は、工事が完成したとき、都留市が受ける給付の完了確認を行うため、当該工事の出来形、機能及び工事の進捗した状況について現地において検査するものとする。
(出来形検査)
第4条　出来形検査は、次に掲げる場合に工事の既成部分について、現地において検査するものとする。
(1)　工事が所定の工程に達し、請負者から部分払いの請求があったとき。
(2)　工事の打切り、又は契約の解除があった場合において請負者に出来高に応じ、支払いをするとき。
(材料検査)
第5条　材料検査は、工事に要する資材について搬入又は施工中途において、必要な場合行うものとする。
(随時検査)
第6条　随時検査は、完成後検査し難い部分がある場合その他契約の適正な履行を確保するため必要がある場合、工事の施工中途において随時行うものとする。
(検査員の設置)
第7条　工事の検査を行うため工事検査員(以下「検査員」という。)を置く。
2　検査員には、工事検査員証(様式第1号)を交付する。
3　検査員は、検査を実施する場合は、常に工事検査員証を携行し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。
(検査員の職能)
第8条　工事の検査のうち完成検査、出来形検査及び随時検査は、検査員がこれを行い、材料検査は工事の施工担当課の職員がこれを行うものとする。
2　契約金額が10万円未満の工事にあっては、現場監督員の現地確認をもって検査員の現地検査に代えることができる。
(検査の委託等)
第9条　特に専門的な知識、技能を必要とする検査については、検査員は、市長の承認を得て、他の職員を検査員とし、又は職員以外の者に委託して検査させることができる。
2　第7条第2項及び第3項の規定は、前項の規定により検査を行うものについて準用する。
(検査員の心得)
第10条　検査員は、契約書、図面及び仕様書その他の関係書類により公平かつ的確に検査しなければならない。
2　検査員は、随時検査を行う場合は、特に工事の進捗状況、資材の調達管理等に留意しなければならない。
(検査員の調査権)
第11条　検査員は、検査のため必要と認めた場合は、請負者若しくは現場代理人、主任技術者その他の使用者(以下「請負者等」という。)に対し、口頭若しくは書面により説明を求め、若しくは必要な書類を提示させ、又は現場監督員から意見を聴くことができる。
2　検査員は、工事の検査上必要があると認めるときは、当該工事の施工担当課長又は関係職員に対して、書類及び物件の提示若しくは提出又は事実の説明を求めることができる。
(検査結果の報告)
第12条　検査員の行った検査(第9条第1項の規定により、他の職員を検査員とし、又は職員以外の者に委託して検査をさせた場合を含む。)のうち、1件100万円以上の工事に係る検査について、その結果を4半期ごとに取りまとめて、検査結果報告書(様式第2号)により市長に報告しなければならない。
(検査の立会)
第13条　検査員は、検査を実施しようとするときは、現場監督員及び工事施工担当課長が指定した者がある場合は、その者並びに請負人等の立会いの上行わなければならない。ただし、随時検査の場合はこの限りでない。
(写真等による検査)
第14条　検査員は、地中又は水中等外部に現われない工事でその適否の確認が困難なものについては、現場監督員から工事の施工の状況等を聴くとともに写真、資料、記録その他事実を証する資料に基づいて判定するものとする。
(破壊検査及び特殊検査)
第15条　検査員は、検査のため必要があると認められるときは、工事の既成部分の一部を破壊し、又は特殊の機器を用いて出来形の適否を検査するものとする。この場合における破壊は、必要最少限に留めなければならない。
(製造物の検査)
第16条　検査員は、製造物が工事の一部とされる場合は、当該製造物の製造者若しくは納入者に工場等における検査記録その他関係書類を提示又は提出させ、説明を求め、かつ、工場における製造について検査することができる。
(支給材料の使用状況の検査)
第17条　検査員は、支給材料がある工事については、関係書類に基づいて、その使用状況を検査しなければならない。
(工事施工決定の連絡)
第18条　請負工事の契約が成立したときは、工事施工担当課長は、速やかに請負工事連絡票(1)(様式第3号)を検査担当課長に提出し、請負工事連絡票(2)(様式第4号)を契約担当課長に回付しなければならない。
(検査台帳)
第19条　検査員は、前条の規定により工事施工決定の連絡を受けたときは、請負工事連絡票により工事検査台帳(様式第5号)に登載し、検査計画を立てなければならない。
(完成検査の連絡)
第20条　工事が完成し請負者から完成届が提出されたときは、工事施工担当課長は、請負工事連絡票(2)(様式第4号)により検査担当課長に対し、完成検査を行うよう連絡しなければならない。
2　前項の完成検査の連絡を行う場合は、材料検査結果表、工事重要部分の写真、記録その他の完成検査に必要な書類を検査担当課長に提出しなければならない。
(完成検査の実施)
第21条　検査員は、前条の連絡に基づき検査の指示を受けたときは、速やかに完成検査を実施し、検査が終了したときは検査調書に必要事項を記載し、上司の決定を得て、工事施工担当課長にこれを回付しなければならない。
2　前項の完成検査における出来形の成績の評定は、建設工事成績考査基準(別表第1)によらなければならない。
(出来形検査の連絡及び実施)
第22条　工事施工担当課長は、請負者から出来形検査請求書の提出があったときは、当該請求書に当該工事の出来形を調査した資料を添えて、検査担当課長にこれを回付し、出来形検査を行うよう連絡しなければならない。
2　検査員は、前項の連絡に基づく検査の指示を受けたときは、出来形検査基準表(別表第2)により、当該工事の出来形を判定するとともに当該出来形に相応する出来形認定額を算定し、工事施工担当課長に回付しなければならない。
(検査の委託等の手続)
第23条　第9条の規定により他の職員を検査員とし、又は職員以外の者に検査を委託しようとするときは、工事の概要、理由及び期間等について市長の決定を受けなければならない。
2　前項による検査の受託者から、検査結果の報告があったときは、検査員はこれを確認し、上司に報告のうえ関係書類を工事施工担当課長に回付しなければならない。
(随時検査の実施)
第24条　検査員は、随時検査を適時実施し、工事が設計図、仕様書、工程表等に基づき施行されているかどうか点検し、必要があると認めるときは、工事施工担当課長に随時検査の結果を通知するものとする。
(工事の手直し)
第25条　検査員は、完成検査の結果工事の出来形が粗悪若しくは不完全等により検査に合格しない場合は、請負者等に対しその事由を明示するとともに、工事施工担当課長に対し、工事手直し通知書(様式第6号)により通知しなければならない。ただし、軽微な事項については、口頭で指示することができる。
2　工事施工担当課長は、前項の通知を受けたときは、速やかに請負者等に対し、工事手直し指示書に前項の通知書の写しを添付し、手直しの指示をしなければならない。
3　手直し工事が完了したときは、第20条及び第21条の規定に準じ再び検査を実施するものとする。
附　則
1　この規程は、昭和53年4月1日から施行する。
2　この規程の施行の日前に請負契約を締結した工事の検査については、なお従前の例による。
別表第1(第21条関係)
建設工事成績考査基準
項目細目着眼点摘要
施工程度出来形設計寸法に対する誤差の程度　
品質強度、バラツキ等
出来ばえ外観、仕上り状況等
工程管理工程の進捗工程の管理状況、実施工程表との対比　
資材管理品質品質管理状況、品質試験結果等　
労務現場管理安全管理交通処理、安全施設、作業員に対する教育指導　
施工計画計画内容、地元近隣との交渉関係
仮設備工事規模に応じた設備程度等
施工機械配置、性能、稼動状況等
書類関係内容、整備状況等
現場整理現場の整理状況等
技術管理現場作業員熟練の程度、作業態度等　
工事に対する熱意積極性仕事に対する積極性、研究心、創意工夫等　
誠実性監督員との連絡、指示に対する履行程度等
現場代理人工事の把握、統率力、設計図書の理解程度等
　　評定点数の採点基準は次のとおりとする。
　　A　特にすぐれている。　(90点以上)
　　B　すぐれている。　(80点以上90点未満)
　　C　だいたい普通である。　(70点以上80点未満)
　　D　普通より劣っている。　(65点以上70点未満)
　　E　不良工事と認められる。　(65点未満)
工程の進捗についての採点
採点考査内容
90点以上現場の環境その他に相当困難な条件があったが工程の管理等がすぐれており充分余裕をもって完成した。
85―90工程管理が良好で余裕をもって完成した。
80―85工程管理が良好で実施工程表どおり工期内に完成した。
70―80工程管理は普通であったが工期内に完成した。
65―70工期管理が余り良くなく工期内に完成しなかった。
65点未満工程管理が極めて悪く請負業者の責任により工期内に完成しなかった。
別表第2(第22条関係)
出来形検査基準表
(1)　建築工事
工事の区分検査基準
土工事(1)　基礎根掘りのみでは、出来形とみなすことはできない。整地を主体とする工事において切取盛土等は、設計所要土量の整地を出来形とし、面積及び長さを単位とするものは面積及び長さをもって出来形とみなす。
基礎工事(1)　基礎工事は、杭打を完了、割栗石つき固め、コンクリート基礎又は鉄筋コンクリート打基礎打上げをもって出来形とみなす。
本体工事(1)　本造建築は、建方完了し、ゆがみ直し、驅(く)体固め、構造金物取付けをもって出来形とみなす。
(2)　簡易耐火建築は、ブロック積、臥梁(がりょう)鉄筋コンクリート打上りをもって出来形とみなす。
(3)　鉄骨建築は、建方完了ゆがみ直し及び、ひずみ直しをもって出来形とみなす。
(4)　鉄筋コンクリート建築は、建物各階のコンクリート打上げをもって出来形とみなす。
屋根工事(1)　屋根は、瓦、鉄板のふき終わり、防水施工は仕上りをもって出来形とみなす。
造作材(1)　木造化粧合板その他床、壁、天井材は、取付けたものをもって出来形とみなす。
左官工事(1)　内外壁は、荒壁、下塗り、中塗り、上塗りともそれぞれ仕上げたものをもって出来形とみなす。
建具工事(1)　木造建具は、切込み取付、建付直しをもって出来形とみなす。
(2)　鋼製建具は、取付、建付直しをもって出来形とみなす。
硝子工事(1)　硝子は切込み、パテ押え又はゴムパッキン取付けをもって出来形とみなす。
塗装工事(1)　塗装類は、設計塗装仕上回数の上塗仕上りを了したものをもって出来形とみなす。
雑工事(1)　建築工事の付随品は、取付完了をもって出来形とみなす。
附帯工事(1)　建築工事における一切の設備及び施設については、各種配線、配管、機器等の取付完了をもって出来形とみなす。
その他(1)　前記以外の工事については、特殊な設備を除き実際の取付け済又は仕上り済をもって出来形とみなす。
(2)　土木工事
(1)　基礎床掘りのみでは出来形とみなすことができない。
(2)　基礎工事は、杭打、基礎栗石、目潰砂利、敷固めコンクリート打又は1本土台、梯子土台を仕上げ据付けを了したものをもって出来形とみなす。
(3)　基礎路盤工は、転圧後支持力系数以下のものは出来形とみなすことができない。
(4)　敷砂利は、現場搬入後敷均しを了したものをもって出来形とみなす。
(5)　残土処理は、捨方を了した容積をもって出来形とし、面積又は長さを単位とするものは面積又は長さをもって出来形とみなす。
(6)　鉄筋、鉄骨は、組立を了したものをもって出来形とみなす。
(7)　コンクリート工は、つき固めを了したものをもって出来形とみなす。
(8)　木橋の橋脚部の組立を了したものをもって出来形とみなす。
(9)　型枠工のみでは、出来形とみなすことはできない。
(10)　塗装類は、上塗りを了したものをもって出来形とみなす。
(11)　前記以外のものについては、特殊なものを除き実際仕上済のものをもって出来形とみなす。