都留市固定資産台帳整備基準

○都留市固定資産台帳整備基準

(平成28年3月31日訓令第5号)

第1章　総則(第1条－第3条)

第2章　各論(第4条－第22条)

第3章　その他(第23条)

附則

第1章　総則

第1条　この基準は、固定資産台帳の作成に関し必要な事項を定め、市が保有管理する固定資産情報を適切に管理するとともに、固定資産台帳の恒常的正確性を担保し、行政経営に活用できる固定資産情報を供することを目的とする。

第2条　この基準の対象となる固定資産とは、インフラ資産及びインフラ資産以外の資産とし、工作物、物品、リース資産及び無形固定資産を含むものとする。ただし、表示登記が行われていない都留市公共物(里道(赤線)や水路(青線)や地区有、財産区有の資産は対象外とする。

科目				概要
固定資産	有形固定資産	事業用資産	土地	行政施設等のために使用する土地
			建物	行政施設の建物　例：庁舎、支所、保育所等
			工作物	行政施設の工作物　例：機械設備等
			立木	分収林などに限る。　 ※市場性のあるものに限定
			その他	上記以外の有形固定資産
			建設仮勘定	決算時において建設途中の有形固定資産　例：次年度以降完成予定の建築物の設計費、前払金等
		インフラ資産 ※道路、橋梁、公園、河川、池沼、上下水道、消防以外の防災設備	土地	インフラに係る底地　例：道路、公園、河川、池沼
			建物	インフラに係る建物　例：公園トイレ等
			工作物	インフラに係る工作物　例：道路舗装(駐車場等を含む。)、橋梁、公園遊具、消防以外の防災設備等
			その他	上記以外の有形固定資産
			建設仮勘定	決算時において建設途中の有形固定資産　例：次年度以降完成予定の道路等の設計費、前払金等
		物品	50万円以上の物品、300万円以上の美術品
	無形固定資産	ソフトウェア	ソフトウェア	業務上使用しているシステム等の50万円以上のソフトウェア
		ソフトウェア	ソフトウェア仮勘定	完成が翌期のソフトウェアの製作費(設計委託費も含む。)
		その他無形固定資産	ソフトウェア以外の無体財産権例：借地権
	リース資産	賃貸借期間が1年を超え、かつ、総リース料300万円を超えるファイナンスリース物件等

第3条　固定資産台帳の作成に当たり、この基準において基本的に考慮する事項は、次に掲げるものとする。

(1)　固定資産台帳への計上単位

(2)　評価方法

(3)　減価償却の要否

(4)　資産区分

(5)　金額の分類方法

第2章　各論

(道路土地の開始時簿価の算定)

第4条　道路土地の開始時簿価の計上額は、原則として次に掲げる方法により算出した額で計上する。

(1)　昭和60年以降に取得した資産であって、当該資産の取得価額が判明している場合は、当該取得価額とする。

(2)　昭和59年以前に取得した土地や当該土地の取得価額が判明していない場合は、備忘価額1円とする。

第5条　道路土地について第3条の各号に掲げる事項に関する考え方は、次のとおりとする。

(1)　固定資産台帳に登録する単位は、路線単位とする。

(2)　市が支出を行って取得した道路土地については取得価額で評価し、市が無償で移管を受けた道路土地については備忘価額1円で評価する。

(3)　道路土地については、減価償却は行わない。

(4)　道路土地は、「土地」として分類する。

(5)　取得に関する契約が一本であり、当該契約に道路土地以外の資産を含んでいる場合には、契約額総額のうち道路土地に係る部分のみが道路土地の取得価額を構成する。契約上、当該道路土地に係る金額が判明する場合には当該金額を取得価額とし、判明しない場合には見積の積算値等で契約額総額を比率で按分し当該道路土地部分相当額として算定された額を取得価額とする。

(道路工作物の開始時簿価の算定)

第6条　道路工作物の開始時簿価の計上額は、原則として次に掲げる方法により算出した額で計上する。

(1)　昭和60年以降に取得した資産であって、当該資産の取得価額が判明している場合は、当該取得価額から減価償却累計額を控除した額とする。

(2)　昭和59年以前に取得した資産や当該資産の取得価額が判明していない場合は、標準的な工事費から算定した幅員別単価に幅員別道路延長を乗じて算定した額から減価償却累計額を控除した金額とする。

(道路工作物)

第7条　道路工作物(アスファルト等の舗装、側溝等)について第3条の各号に掲げる事項に関する考え方は、次のとおりとする。

(1)　固定資産台帳に登録する単位は、路線単位とする。この場合において、固定資産台帳整備時は道路工作物を路線単位で一括して固定資産登録するが、固定資産台帳整備後は耐用年数の異なる資産については路線単位で別個に固定資産登録し、改修・除却に対応できるようにする。受贈等、市が支出をすることなく取得した場合も同様とする。

(2)　市が支出を行って取得した道路工作物については取得価額で評価し、受贈等、市が支出することなく取得した道路工作物については再調達原価(標準的な資産で積算した幅員別単価に幅員別道路延長を乗じて算定した額)で評価する。

(3)　道路工作物については、定額法により減価償却を行う。

(4)　道路工作物は、「工作物」として分類する。

(5)　取得に関する契約が一本であり、当該契約に道路工作物以外の資産を含んでいる場合には、第5条第5号の規定を準用する。

[第5条第5号]

(道路以外の土地の開始時簿価の算定)

第8条　道路以外の土地の開始時簿価の計上額は、原則として次に掲げる方法により算出した額で計上する。

(1)　昭和60年以降に取得した土地であって、当該資産の取得価額が判明している場合は、当該取得価額とする。

(2)　昭和59年以前に取得した土地や当該土地の取得価額が判明していない場合は、再調達原価(固定資産税評価額)で評価した額を計上する。

(道路以外の土地)

第9条　道路土地以外の土地について第3条の各号に掲げる事項に関する考え方は、次のとおりとする。

(1)　筆単位とする。ただし、一筆において利用状況が異なる等分割して計上する必要が生じた場合には、その利用割合により分割して計上する。

(2)　市が支出を行って取得した土地については取得価額で評価し、受贈等、市が支出することなく取得した土地については再調達原価(固定資産税評価額)で評価する。

(3)　土地については、減価償却を行わない。

(4)　土地は、「土地」として分類する。

(5)　取得に関する契約が一本であり、当該契約に土地以外の資産を含んでいる場合には、第5条第5号の規定を準用する。

[第5条第5号]

(建物及び建物附属設備の開始時簿価の算定)

第10条　建物及び建物附属設備の開始時簿価の計上額は、原則として次に掲げる方法により算出した額で計上する。

(1)　昭和60年以降に取得した資産であって、当該資産の取得価額が判明している場合は、当該取得価額から減価償却累計額を控除した額とする。

(2)　昭和59年以前に取得した資産や当該資産の取得価額が判明していない場合は、建物再調達価額基準建築単価表の単価に延べ床面積を乗じて算定した額から減価償却累計額を控除した額とする。

(建物及び建物附属設備)

第11条　建物及び建物附属設備(電気設備、給排水設備、空調設備等の各設備、建物内のパーテーション設備等)について第3条の各号に掲げる事項に関する考え方は、次のとおりとする。

(1)　固定資産台帳に登録する単位は、棟別とする。さらに、耐用年数が異なる場合は、別個に固定資産登録するものとし、改修・除却に対応できるようにする。固定資産台帳整備時は建物と建物附属設備を区分せず建物として一括して固定資産登録するが、固定資産台帳整備後については耐用年数の異なる資産について棟単位で別個に固定資産登録するものとする。

(2)　市が支出を行って取得した建物及び建物附属設備については取得価額で評価し、受贈等、市が支出することなく取得した建物及び建物附属設備については再調達原価(建物再調達価額基準建築単価表の単価に延べ床面積を乗じて算定した額)で評価する。

(3)　建物及び建物附属設備については、定額法により減価償却を行う。

(4)　建物及び建物附属設備は、「建物」として分類する。

(5)　取得に関する契約が一本であり、当該契約に建物及び建物附属設備以外の資産を含んでいる場合には、第5条第5号の規定を準用する。

[第5条第5号]

(工作物の開始時簿価の算定)

第12条　工作物の開始時簿価の計上額は、原則として次に掲げる方法により算出した額で計上する。なお、工作物のうち建築物に該当するものは第10条の規定を準用とするものとし、建築物に該当しないものについては次に掲げる方法により算出した額で計上する。建築物とは、土地に定着する工作物(道路以外)のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するものとする。

(1)　昭和60年以降に取得した資産であって、当該資産の取得価額が判明している場合は、当該取得価額から減価償却累計額を控除した額とする。

(2)　昭和59年以前に取得した資産や当該資産の取得価額が判明していない場合は、再調達原価(直近の調達実績等に基づいて算定した額、又は標準的な資産で積算した額)から減価償却累計額を控除した額とする。

第13条　工作物について第3条の各号に掲げる事項に関する考え方は、次のとおりとする。

(1)　固定資産台帳に登録する単位は棟別、個別等とする。さらに、耐用年数が異なる場合は別個に固定資産登録し、改修・除却に対応できるようにする。ただし、同種の資産で複数個取得するような場合には、個々に計上することなく、まとめた形で計上することもできる。

(2)　市が支出を行って取得した工作物については取得価額で評価し、受贈等、市が支出することなく取得した工作物については再調達原価(直近の工事実績、調達実績等に基づいて算定した額)で評価する。

(3)　工作物については、定額法により減価償却を行う。

(4)　工作物は、「工作物」として分類する。

(5)　取得に関する契約が一本であり、当該契約に工作物以外の資産を含んでいる場合には、第5条第5号の規定を準用する。

[第5条第5号]

(物品の開始時簿価の算定)

第14条　物品の開始時簿価の計上額は、原則として次に掲げる方法により算出した額で計上する。

(1)　昭和60年以降に取得した資産であって、当該資産の取得価額が判明している場合は、当該取得価額から減価償却累計額を控除した額(美術品については当該取得価額)とする。

(2)　昭和59年以前に取得した資産や当該資産の取得価額が判明していない場合は、再調達原価(同性能の当該資産の市場価額)から減価償却累計額を控除した額(美術品については再調達原価)とする。

第15条　物品について第3条の各号に掲げる事項に関する考え方は、次のとおりとする。

(1)　固定資産台帳に登録する単位は個別等とし、耐用年数が異なる場合は別個に固定資産登録し、改修・除却に対応できるようにする。ただし、同種の資産で複数個取得するような場合には、個々に計上することなく、まとめた形で計上することもできる。なお、固定資産台帳に計上すべきものは、物品のうち50万円以上の評価額を有するものとする。受贈等、市が支出をすることなく取得した場合も同様とする。

(2)　市が支出を行って取得した物品については取得価額で評価し、受贈等、市が支出することなく取得した物品については再調達原価(同性能の当該資産の市場価額)で評価する。

(3)　物品については、定額法により減価償却を行う。

(4)　物品は、「物品」として分類する。

第16条　美術品について第3条の各号に掲げる事項に関する考え方は、次のとおりとする。この場合において、開始時簿価の作成に当たっては、第14条に記載する方法で算定した額を計上する。

[第3条] [第14条]

(1)　固定資産台帳に登録する単位は、個別とする。なお、固定資産台帳に計上すべきものは美術品のうち300万円以上の評価額を有するものとし、受贈等、市が支出をすることなく取得した場合も同様とする。

(2)　市が支出を行って取得した美術品については取得価額で評価し、受贈等、市が支出することなく取得した美術品については再調達原価で評価する。

(3)　美術品については、減価償却を行わない。

(4)　美術品は、「物品」として分類する。

(立木竹の開始時簿価の算定)

第17条　立木竹の開始時簿価の計上額は、原則として次に掲げる方法により算出した額で計上する。

(1)　昭和60年以降に取得した資産であって、当該資産の取得価額が判明している場合は、当該取得価額とする。

(2)　昭和59年以前に取得した資産や当該資産の取得価額が判明していない場合は、再調達原価(森林国営の保険樹種・樹齢別単価に樹種・樹齢別面積を乗じた額)とする。

第18条　立木竹について第3条の各号に掲げる事項に関する考え方は、次のとおりとする。

(1)　固定資産台帳に登録する単位は、面積とする。

(2)　市が支出を行って取得した立木竹については、取得価額で評価し、受贈等、市が支出することなく取得した立木竹については再調達原価(森林国営の保険樹種・樹齢別単価に樹種・樹齢別面積を乗じた額)で評価する。

(3)　立木竹については、減価償却を行わない。

(4)　立木竹は、「立木竹」として分類する。

(無形固定資産)

第19条　無形固定資産(ソフトウェア、地上権、借地権等の用益物権等の無体財産権)について第3条の各号に掲げる事項に関する考え方は、次のとおりとし、開始時簿価の作成に当たっては、原則として取得価額により評価し計上する。ただし、取得価額が不明な資産については、再調達原価により評価し計上する。

(1)　固定資産台帳に登録する単位は、個別等とする。

(2)　市が支出を行って取得した無形固定資産については取得価額で評価し、受贈等、市が支出することなく取得したソフトウェア及び用益物権については再調達原価(直近の調達実績等に基づいた算定した額)で評価する。

(3)　無形固定資産のうちソフトウェアについては定額法により減価償却を行い、無体財産権については定額法により減価償却を行うが、借地権等の用益物権については減価償却を行わない。

(4)　無形固定資産は、「無形固定資産」として分類し、それぞれ内容がわかるように区分する。

(5)　物品等(機械装置や備品等)を稼動させるためのソフトウェアについて、当該物品等と当該ソフトウェアが一体とならなければ機能しない場合は、原則として当該物品等に含めて計上する。

(6)　取得に関する契約が一本であり、当該契約に無形固定資産以外の資産を含んでいる場合には、第5条第5号の規定を準用する。

[第5条第5号]

(リース資産)

第20条　リース資産については、次のとおりとする。

(1)　固定資産台帳に登録する単位は契約単位とし、固定資産台帳に計上すべきものはリース契約のうち所有権移転ファイナンス・リース取引に該当するものとする。なお、次のいずれかに該当する重要性の乏しい所有権移転ファイナンス・リース取引については、固定資産台帳に計上しないものとする。

ア　リース契約の対象となる資産一単位あたりのリース料が50万円未満の取引

イ　リース期間が1年以内のリース取引

ウ　リース料総額が300万円以下のリース取引

(2)　リース資産については、取得価額(貸し手の購入価額が判明している場合は貸し手の購入価額、不明な場合はリース料総額の割引現在価値と貸し手の見積現金購入価額とのいずれか低い金額)で評価する。

(3)　取得価額には、利息相当額及び保守料は含まない。

(4)　リース資産については、自己所有の資産と同様に定額法により減価償却を行う。

(5)　リース資産は、内容に応じて他の自己所有の資産と同様に分類する。

(建設仮勘定)

第21条　建設仮勘定については、次のとおりとする。

(1)　大規模工事や長期のシステム開発等、最終的に固定資産に計上されることになるが、単年度で工事等が終了しない場合、当該年度までに支出した全額を建設仮勘定として計上し、供用開始までの間の支出額を累積して計上する。

(2)　建設仮勘定は、減価償却を行わない。

(3)　建設仮勘定は、有形固定資産に係るものは「建設仮勘定」として、ソフトウェアに係るものは「ソフトウェア仮勘定」としてそれぞれ分類する。

(改修工事等の取扱い)

第22条　現状の機能を維持するための改修、修繕、補修等に係る支出は、固定資産の取得に該当しないため、原則として固定資産として計上しないこととする。ただし、当該支出により固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増すこととなると認められる部分については、固定資産として取扱うこととする。

第3章　その他

第23条　この基準に定めのない事項については、地方財政法(昭和23年法律第109号)、「統一的な基準による地方公会計マニュアル」を始めとする総務省から公表される各種報告書、Q＆A、手引並びに一般に公正妥当と認められる企業会計の基準の定めるところによる。

この訓令は、平成28年4月1日から施行する。